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DXにかかる予算はどのくらい?コストの目安と予算確保の取り組み方を解説

DXにかかる予算はどのくらい?コストの目安と予算確保の取り組み方を解説
DX

 現代の企業にとってDXの推進は今もっとも注力すべき課題となっていますが、実施にあたり頭を悩ませるのが、予算の問題です。最終的にどの程度の予算の準備が必要なのかを知ることはもちろん、部門ごとの配分についても検討が必要です。

 今回はDXを進めるためにはどのくらいの費用がかかるのか、平均的な予算を紹介しながら、各段階におけるコストや予算確保のためのポイントを解説します。 

  • DX推進に必要な費用感を知りたい方
  • DX推進のための準備をしている方
  • DX推進のための予算確保に悩んでいる方

1.日本におけるDX推進の平均年間予算と内訳

​​ パーソルプロセス&テクノロジー株式会社の「社内におけるDX推進に関する実態調査」によると、DXを推進している企業が会社としてDX関連で1年間に確保している予算は平均4億8891万円です。

予算額の内容別では、「バックオフィスにおけるDX」が平均2億6263万円ともっとも多く、次いで「営業活動におけるDX」は平均2億4197万円、「マーケティングにおけるDX」は平均1億8120万円、「テレワークの促進」が平均1億7879万円となっています。 

「バックオフィスにおけるDX」は、組織の内部業務やプロセスを効率的かつ効果的に改善するためにデジタル技術を活用する取り組みを指し、経理、人事、調達、ITサポートなどのバックオフィス機能が対象です。例えば、クラウドベースのシステム導入、自動化ツールの利用、データ分析の活用などがあげられます。

「営業活動におけるDX」は、販売プロセスや顧客対応を効果的に進化させ、組織の収益を最大化することを目的とします。例えば、CRM(Customer Relationship Management)システムの導入、データ駆動型の営業戦略の策定、AIを活用したセールスアシスタントの導入などがあります。

「マーケティングにおけるDX」は、デジタル技術を駆使して広告、ブランディング、顧客獲得などのマーケティング活動を最適化することを指します。例えば、デジタル広告の最適化、ソーシャルメディアの活用、顧客データの分析に基づくターゲティングなどがあります。

「テレワークの促進」は、従業員がオフィス外で仕事を行うためのデジタル技術を活用する取り組みを指します。具体的には、クラウドベースのコラボレーションツール、ビデオ会議システム、セキュアなリモートアクセスなどがあります。

 すべての分野で「ITツール(システム・ソフトウェア等)の導入」がもっとも多い取り組みとなっており、「テレワークの促進」では「機材導入」が73.1%で2番目に多い数値となっています。 

一方、「営業活動におけるDX」では「人材育成・採用」が49.4%と高く、DXにより営業にとって重要な人的リソースの充実を目指していることが伺われます。 

各分野において幅広くDX推進への投資が行われていますが、コスト配分についてはそれぞれの分野で重視する点が異なることがわかります。

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2.DX推進に必要な予算

具体的な予算の目安と費用対効果の考え方を解説します。

2-1.各段階における予算の目安

各段階で必要な費目と予算の目安は以下のとおりです。 

  • ​​デジタイゼーション
    デジタイゼーションにかける予算の目安は、50万円~200万円程度です。例えば簡易的な顧客管理システムの導入は約40万円程度ですが、新規システム開発を行う場合には数百万円の規模となります。 
  • デジタライゼーション 
    デジタライゼーションは、単なるデジタル化にとどまらず、ビジネスモデルの変革まで含むものです。そのため、予算規模は幅広く100万円~3,000万円程度と考えられます。デジタライゼーションの例としては、レンタルからサブスクリプションへの移行といった、収益の仕組みそのものを変えるケースがあります。 
  • デジタルトランスフォーメーション 
    デジタルトランスフォーメーション(DX)は、デジタイゼーションやデジタライゼーションといったプロセスを経た組織全体の変革であるため、予算は1,000万円~1億円、またはそれ以上になると考えられます。 

デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションについての詳細は以下の記事で解説しています。 

DXとデジタル化の違いとは?取り組みに向けて理解しておきたい基本の考え方 

2-2.費用対効果の考え方

費用対効果の考え方を具体的な式を用いて説明します。 

  • 費用対効果の計算式(円で評価する場合) 

費用対効果 = 利益や効果 - 費用 

「費用対効果」とは、ある取り組みやプロジェクトにおいて投資された費用に対し、得られた利益や効果がどれだけあるかを評価する指標です。 

 

「利益や効果」は、特定のプロジェクトや取り組みによって得られるポジティブな成果や影響を指します。例えば、収益の増加、生産性の向上、コスト削減、顧客満足度の向上など、プロジェクトの目標に応じて内容が異なります。費用対効果を計算するうえでは、成果や影響を可視化、数値化する必要があります。 

一方、「費用」は、プロジェクトや取り組みにかかる総コストを指します。開発コスト、導入コスト、運用コストなどすべてを含み、通常、直接的な金銭的な出費だけでなく、労力や時間なども考慮されます。 

 

  • ROIの計算式(%で評価する場合) 

ROI = (利益や効果 - 投資費用) ÷ 投資費用 

「ROI(Return on Investment)」は、費用対効果を評価するための一般的な指標で、特定の投資がどれだけの利益をもたらしたかを示します。 

「利益や効果」は、特定のプロジェクトや投資によって生じる結果や得られる利益を指します。こちらも、増加した収益、コスト削減、生産性の向上、市場シェアの拡大など、具体的なプロジェクトの目標によって異なります。 

「投資費用」は、特定のプロジェクトや投資にかかる総コストを指します。一般的には開発費用、導入費用、運用費用などが含まれており、ROIを計算するうえでは、金銭的な出費だけでなく、時間やリソースなどの非金銭的なコストも考慮されることがあります。 

ROIは通常パーセンテージで表され、その値が正の場合、投資が収益を上げたことを示し、負の場合は損失が生じたことを表します。またROIがゼロの場合には、投資が元本を回収したと見なされます。 

 

どの方法を用いる場合でも、各施策に対しての費用対効果を正確に見るためには費用項目を明らかにする必要があります。例えばRPA導入の場合では、ライセンス料、環境構築費用、保守・運用費、開発費、人材教育費など、関連する項目をすべて網羅したうえで評価を行います。 

3.DX推進の予算を確保するためのポイント

DX推進の予算を確保するためのポイントとしては、以下があげられます。 

  • DXへの積極投資への意識の切替
    日本企業においてはIT関連費用の80%が現行システムの維持管理に使われており、戦略的なIT投資へ十分な振り分けが行われていません。デジタルによる変革を目指すうえでは​​、既存システムの見直しを実施し、適宜新システムの移行を検討する必要があります。
  • 経営層のリーダーシップ 
    企業DXは、一部の分野にとどまらず、全社横断的な進展が求められます。経営視点から戦略的にDXにかかるコストを切り出し、トップがけん引して実施に臨む姿勢が不可欠です。 
  • ムダなコストの削減 
    DXに新たな予算をかける一方で、既存のシステムやプロセスを見直し、最適化することでコストを抑制します。ムダを排除し、効率的なリソースの運用を目指します。 
  • DX人材の育成・確保 
    DXを着実に推進させるためにはその重要性を理解し、経営層に対して効果的に進言できる人材を獲得、育成する必要があります。技術的な知識だけではなく、企業の在り方をDXの視点から俯瞰でき、リーダー役となる人材が求められます。
  • 補助金・助成金の活用 
    DX推進で大きな課題となるのが、資金の調達です。国では企業のDX推進をサポートするための補助金や助成金を提供しています。これらを活用することで、企業の経済的な負担を軽減し、自己資金を温存できます。インフラ整備、ツール購入、人材獲得など、DXに活用できる補助金・助成金は複数あり、自社ニーズに即した制度を探すことができます。 

 

補助金・助成金について詳細は以下の記事で解説しています。 

DX推進で補助金・助成金を受給するには?種類や申請手続き、注意点を解説

4.DX成功には現実を見据えた予算編成が重要

 DXの進展を阻む大きな要因となるコスト負担ですが、企業規模や進め方によっても必要な予算が変わってきます。

大切なのは自社がどのようなDXを成し遂げたいのか、そのためにはどれくらいの予算が適切であるのかを見極めることです。そのうえで予算確保に向け、自社で今すぐにできることから動き出していく必要があります。 

 DXを成功させるためには、かけるべきところに予算をかけながら、ムダを省く必要があります。

自社の実情を客観的に把握するためには、外部サービスが役立ちます。プロの知見を活用し、DX成功に向けた予算策定を実施していきましょう。 

弊社では、DXに課題をお持ちの企業様に向けてDXアドバイザーサービスを提供しております。DXに取り組みたいけど、どうすればいいか迷っている、時間が無くて困っているなどのお悩みの方はぜひサービスサイトをご確認ください。

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▼この記事を書いた人
サン・エム・システムコラム編集部でございます。

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