ブログ SUNM Tech & Business Blog

⌚ 2023/11/30 (Thu) 🔄 2024/3/20 (Wed)

不動産業界におけるDXとは?推進のメリットや課題、事例を解説

不動産業界におけるDXとは?推進のメリットや課題、事例を解説
DX

さまざまな業界でDXが推進されるなか、不動産業界においてもDXが進められてきました。しかし、アナログ文化が根付いているためにデジタル化が進まないなど課題も多くあります。

今回は、不動産DXの導入メリットや課題、不動産業界のDX事例についてご紹介します。 

  • 不動産業界におけるDX化について知りたい方
  • 不動産DX導入のメリットを知りたい方
  • 不動産業界でのDX推進にお悩みの方

1.不動産DXとは?

そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、アナログで行っている業務にIT技術を取り入れてビジネスモデルを変革させることを指す言葉です。単なるデジタル化ではなく、企業に新たな価値を見出し、競合優位性を確立することを目的としています。 

不動産DXは、不動産業界が取り組むDXのことをいいます。

IT技術を導入し、物件・顧客管理や書類の手続きなどをアナログからデジタルに移行し業務効率化を進めるとともに、新たなビジネスモデルを生み出すことを意味します。 

宅地建物取引業法の改正で2022年5月から書類の電子化が解禁されました。こうした変化を受け、古い慣習が残る不動産業界でもDX推進の動きが活発化しています。 

2.不動産DXで実現できること

不動産DXでは具体的にどのようなことが実現できるのでしょうか。

2-1.電子契約システムによるオンライン契約

オンラインで契約締結を完了できます。
以前は不動産取引における書類の電子化が一部認められていませんでしたが、前述の通り2022年5月に書類の電子化が全面解禁されました。ペーパーレス化はもちろん、顧客に来店してもらう必要もなくなり、契約締結がスムーズに行えるようになりました。 

2-2.不動産管理システムによるデータ管理

「不動産管理システム」では、膨大なデータを一括で管理できます。
賃貸管理では物件情報や入居者情報、過去のトラブル対応歴、不動産仲介では顧客情報や追客履歴など、不動産業務においてはさまざまなデータを取り扱っています。これらをすべて書面で管理するとなると、確認や更新の作業に多くの時間を費やすことになるでしょう。システムで一元管理することで、情報更新や共有が円滑にできるようになります。 

2-3.Web接客ツールによるオンライン接客

「Web接客ツール」では、オンライン上の接客が可能です。
進学や入社などの理由で物件を探す顧客のなかには遠方に住んでいる方も少なくありません。Web接客ツールを活用すれば、わざわざ店舗まで足を運ばなくても内見や契約を進められます。 

弊社、サン・エム・システムでは、お客様のニーズにあった適切なDXツール選定や人材育成などDXに関する幅広い支援を行っています。DXに課題をお持ちの際は、ぜひご相談ください。
詳しくはこちら(dx-advisor).png

3.不動産DXで実現できること

不動産DXを導入することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、不動産業界にDXを導入するメリットを4つご紹介します。

3-1.業務効率化が図れる

従来アナログで行っていた作業をデジタル化することで、業務の効率化が図れます。 

例えば、毎回手入力で行っているデータの入力作業や紙で行っている情報管理をオンラインシステムに移行すれば、ヒューマンエラー防止や業務の質向上にもつながるでしょう。不動産業界ではとくにアナログな習慣が残っている部分も多いため、得られる効果は大きいはずです。 

また、例に漏れず不動産業界も人手不足が課題となっています。しかし、業務効率化が図れれば別の業務に充てる時間が確保できるため、人手不足の解消につながるでしょう。 

物件査定などの経験値が必要となる業務は、AIを活用した価格査定システムなどを導入することで効率化できるでしょう。これにより、データを活用した合理的で透明性の高い査定結果を得ることも可能となります。 

3-2.顧客満足度向上につながる

不動産DXを推進することは、企業側だけでなく顧客や取引先にも大きなメリットがあります。 

顧客満足度の向上につながる不動産DXには、電子契約やVR内見、IT重説などが挙げられます。VR内見では、実際に物件を見に来なくても、スマートフォンやタブレットなどを使ってオンラインで内見できるので、気軽に物件を探せるでしょう。 

IT重説とは、物件の契約時に必要となる重要事項説明をオンラインで実施することです。店舗を訪れる必要がないため、実施日の調整や移動の手間が省けます。

3-3.新しいビジネスモデルを生み出せる

不動産DXの実施により、新しいビジネスモデルを生み出すことにつながります。 

DXは「デジタル化して終わり」ではありません。データを蓄積・活用することで新たな洞察を得られ、新たな付加価値の創出や新サービスや新商品の開発といった新たなビジネスを生み出すきっかけになります。

4.不動産業界におけるDX導入の課題

前述のとおり、不動産業界ではDXの必要性を感じていながら実施に至っていない企業がまだ多く存在します。DX導入が進まない背景には、以下のような課題があります。 

4-1.アナログな手法が根付いている

不動産DXが進まない大きな理由のひとつに、アナログな手法が根付いていることが挙げられます。 

オンライン契約が解禁されたとはいえ、顧客や業者との連絡手段には電話が使用されることが多く、契約書や物件の図面、重要事項説明書などは紙媒体でやり取りされることがまだまだ一般的です。FAXを使用する業者も少なくありません。 

デジタルへの移行期間中は作業効率が低下したり混乱を招いたりする可能性もあり、なかなかDXを進められないのです。 

4-2.DX推進の知識やノウハウがない

アナログな手法が一般的な不動産業界では、ITやDXに関する知識やノウハウを持つ人材が不足しています。 

不動産DXの推進には、デジタル技術やDXに精通する人材が必要です。DX人材は、プロジェクトを推進するだけでなく、組織の変革をけん引できる実行力のある人材が望ましいとされています。 

社内で適切な人材を賄えない場合には、DX支援を行っている外部の専門家の力を借りることも検討しましょう。 

DX研修やDX人材について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。 

DX研修とは?未来に向けた企業成長の軸となる人材を育成するために

DX人材とは?求められる役割や必要とされる理由、人材確保の方法

4-3.ツールの選定が難しい

不動産業界向けの業務支援ツールは数多く存在します。しかし、機能や料金体系などさまざまな種類があるため、自社に適したツールを選ぶのは容易ではありません。同じ目的で作られたツールでも、機能性や操作性、サポート体制、他のシステムとの連携可否などが異なります。 

まずは自社の課題と導入の目的を明確にすることが重要です。そのうえで、「サポート重視」「他社ソフトと連携可能」「カスタマイズ性」など重視するポイントを決め、自社に合ったツールを見つけましょう。 

DX推進に役立つツールについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください。 

DX推進に役立つツールを紹介!選定のポイントも解説

5.不動産業界におけるDX導入の課題

ここでは、実際に不動産DXに取り組んでいる企業の事例をご紹介します。 

5-1.三井不動産のDX事例

オフィスビルをはじめ、住宅やホテル、リゾートなど不動産を幅広く手掛けている三井不動産は、ほぼすべての業務でDXに取り組んでいます。オフィスビルにオンライン内見を取り入れたり、物件購入時の書類すべての電子化を行ったりしたことで、業務効率化と顧客満足度向上を同時に実現しました。 

2023年8月には、全従業員を対象にした自社特化型AIチャットツール「&Chat」の運用を開始しました。文章の要約や翻訳、アイデア出しなどにAIチャットを活用し、日常業務のさらなる効率化を図っています。 

5-2.野村不動産のDX事例

野村不動産は、2020年に物件ごとのオンライン接客を開始し、2021年には展開する「プラウド」全物件の情報をまとめて閲覧できる「プラウドオンラインサロン」をスタートさせました。モデルルームやモデルハウスへ来場する従来の流れを変え、顧客が気軽に情報収集・比較検討ができる仕組みを確立しています。 

その後「プラウドオンラインサロン」にメタバース空間を設置し、匿名での物件情報収集やスタッフへの相談などができるようになりました。また、「プラウド」全物件のプレゼンツール・販売資料をデジタル化するなど、顧客の利便性向上につながる取り組みを続けています。

5-3.東急不動産のDX事例

東急不動産ホールディングス株式会社は、グループの長期ビジョンのなかでDXを全社方針のひとつに掲げています。グループのDXによる価値創造を加速させるため、2022年にはDXの推進や支援を行う会社「TFHD digital 株式会社」を設立しました。デジタルの活用による工数削減や、グループ内で活躍するデジタル人財の獲得に注力しています。 

また、新築分譲マンションにデジタルツインを活用し、販売顧客接点におけるCX向上を図る取り組みなどが評価され、経済産業省と東京証券取引所が認定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄2023」に選定されました。 

まとめ.不動産DXのメリットを十分理解し積極的に推進しよう

アナログ文化が根付いている不動産業界でDXを推進するにはさまざまな課題が存在します。しかし、業務効率化や人材不足の解消など業界の課題を解決できるさまざまなメリットが得られるため、積極的に推進を検討すべきでしょう。 

サン・エム・システムでは、DXアドバイザーがDX化に関するアドバイスを行っています。

DX化についての気軽なご相談や戦略策定のお手伝い、ツール・ベンダーの選定なども承ります。不動産DXをご検討されている方は、ぜひお問い合わせください。 

詳しくはこちら(dx-advisor).png

【この記事を書いた人】
サン・エム・システムコラム編集部でございます。

問い合わせ

お申し込みはこちら.png

サン・エム・システム サービス

詳しくはこちら(OneStopCloud).png 詳しくはこちら(PowerApps).png 詳しくはこちら(power-automate-desktop).png 詳しくはこちら(Inc-Resu).png