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Watson 学習するコンピュータ

Watson 学習するコンピュータ
Tips

IBMのWatson(ワトソン)をご存知でしょうか?


ペッパー君に搭載されるというニュースで知った方も多いと思いますが、この名前は、IBM初代社長のトーマス・J・ワトソンから取られたものです。

Watsonは、世界各国の技術者の英知を結集し、4年がかりで開発された超高性能コンピュータですが、IBMでは、これを「人工知能」とは呼ばず、「学習するコンピュータ」と称しています。

どこが違うのでしょうか?

Watsonは2011年に米国の有名クイズ番組「ジョパディ!」で人間のクイズ王に勝利して賞金100万ドルを獲得した事で有名になりました。(賞金は全額が慈善事業に寄付されました。)
この時Watsonは、インターネットに接続されていない状態で、自然言語で示された複雑な問題に対して解答しています。
本・台本・百科事典(Wikipediaを含む)などの2億ページ分のテキストデータ(70GB程度、約100万冊の書籍に相当)を事前にスキャンしていますが、その情報を単なる知識のデータベースとして使用しているのではなく、データを処理し仮説を立て、過去の失敗にもとづいてプロセスを修正し、その知識を蓄えて-と、まさに学習しながら答えを導き出したのです。
(ハード的には、10台のラックに搭載されたPower Systems 750で構成され、2880個のPOWER7プロセッサ・コアを搭載し、オペレーティングシステムはLinux、処理性能は80テラFLOPS(TFLOPS)だそうです。ちょっと想像を絶してしまいますね。)

この技術を、IBMはコグニティブ(思考する)ビジネスとして、様々な分野で活用しようとしています。

例えば、Watsonを癌の治療に役立てる試みが世界各国で開始されています。
過去の癌にまつわる膨大な量の医療データをWatsonに格納し、各病院から集められた患者のデータを高速で解析し、患者の遺伝子情報等を元に、各個人に最適と思われる治療方針や投与する薬を提案し、医師や患者が意志決定するための支援を行っています。

もっと身近な所では、膨大な料理の情報から、レシピ、流行、味つけ、食品の成分、文化的・民族的好みを分析して、まったく新しい独創的な料理を作り上げたりします。
これも、膨大な情報から取り出すだけではなく、学習するからこそ可能な能力なのでしょう。(ちなみに、シェフワトソンのメニューで、「枝豆、アンズ、カルダモンをきかせた芽キャベツを巻いたチョコレートブリトー」とありましたが、本当に美味しいのかな。。。)

今年1月7日に、ソフトバンクグループのロボット事業会社-ソフトバンクロボティクス(SBR)と米IBMは、ペッパー君に搭載するWatsonを開発すると発表しました。
人間と円滑に対話できるWatsonの機能をペッパー君に取り込み、国内外で販売するそうです。
これとともに、Watsonは、ヨーロッパ言語以外では初めての言語となる日本語で、会話し、理解し、考えられるようになります。

IBMの提供するクラウド開発基盤「Bluemix」には、Watson API(日本語版)が既に搭載されており、これを使ったアプリケーションの開発も可能となっています。

私達にも手の届くものになってきました。どう使うかはアイデア次第です。
大きな可能性を感じませんか?

今週から、技術本部を中心とした3人が、IBMのDevOps推進協議会が主催するBluemixのワークショップに参加します。
その様子はブログに載せますので、ご期待下さい!

~ Hassy Away ~ 

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