導入事例 CASE STUDY
2025/5/27 (Tue)
「DX推進の壁」を突破!業務アウトソーシング導入で社員リソースを効率化した事例(製造業様)


規模 | 300~500名 |
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業界 | 製造業 |
本社所在地 | 東京都千代田区 |
世界的にも刃物の町として知られる岐阜県関市にて明治41年に創業。デザイン性や独自性、安全性、持続可能性を重視した商品づくりを行うグローバル刃物メーカーです。2023年の創業115周年に、新たなミッション「切れ味とやさしさ」を掲げ、理念体系を刷新しました。
長い歴史の中で築き上げた技術と伝統を尊重し、未来を切りひらき、こだわりとやさしさをもつことを通じて、人々の営みに誠実によりそうような会社を今後も目指します。
◇貝印様のWEBサイト:
https://www.kai-group.com/
INTERVIEW
会社として、全社的にDXを進めていく中で、情報システム部門としてもコア業務に専念するため、ノンコア業務のアウトソーシングを希望され、この度、サン・エム・システムが提供する業務アウトソーシングサービス「OA環境ヘルプデスク」をご利用頂きました。
導入にいたる背景や課題、導入後の効果について、貝印株式会社 デジタル推進本部 齋藤様に、お話をお伺いしました。
お客様の課題と解決策

□ DX施策を進めたいが、社員リソースがシステム保守に多く割かれ、手が回らなかった
□ 社内の業務整理や切り分けが進まず、業務アウトソースが進みにくい状況だった

■ サンエムシステムが提案した対応範囲を元に、アウトソースする業務を整理・切り出し
■ 月次の定例会を通じて、作業内容や課題を細かく報告し、進捗を共有

■ 優先すべき業務を切り出し効率化が図られ、ノンコア業務の手離れが良くなった
■ 丁寧な作業と細かい報告により、業務全体の透明性が向上した
貝印様のご事業や背景
弊社はカミソリやツメキリなどの身だしなみを整えるツールやビューティーツール、包丁をはじめとする調理器具や製菓用品、医療用刃物など、生活に密着した刃物を中心に1万アイテムにも及ぶ商品を展開しているグローバル刃物メーカーです。刃物の町、 岐阜の関市で興した会社で創業は1908年(明治41年)、今年で117周年になります。
現在、本社(販売部門)は東京にあり、工場(製造部門)は、岐阜県関市にあります。海外にも拠点を展開しており、中国、インド、ベトナム、アメリカに生産拠点を構えています。また、販売ネットワークは韓国、香港、インド、ヨーロッパ、アメリカにも広がり、グローバルに事業を展開しています。
創業当初は、ポケットナイフを作るところからでした。その後、長柄軽便カミソリ、T字カミソリ(安全カミソリ)の製造を手がけ、世界初の替刃式3枚刃のカミソリである「K-3」が誕生しました。また、ツメキリの製造をきっかけにビューティーツールを展開、包丁の製造から、ボウルやお玉などの調理器具へと製品展開を広げていきました。カミソリなどの薄刃加工の技術を活かした医療用メスも製造しており、幅広い商品を取り扱っております。
私はデジタル推進本部の運用グループに所属しています。部門としては東京と岐阜に拠点があり、運用グループと企画グループの2つのチームで構成されています。
運用グループでは、基幹システムであるSAPやその周辺システムの問合せ対応、メンテナンス、法改定の対応などをやりつつ、社内の各部門からのリクエストに応じて、データ提供や、簡単なシステム開発なども行い、柔軟に対応しています。企画グループとも業務が重なる部分が多く、システム導入のサポートをしたりと、チーム全体で協力しながら社内システムの運用保守業務の全般を支えています。

業務アウトソースサービス導入前の課題
どこの会社もそうだと思いますが、ITを担える人材が社内にいないということが大きな課題でした。社外から採用しようと思っても難しく、求める人材がなかなか採れませんでした。
しかし、情報システム部門としては、管理するシステムが増えてきて、加えて、新たにセキュリティの問題、サーバの移行、クラウドリフト、クラウドシフト等を考えていかないといけない状況で、様々な課題が山積みでした。
我々の部署はデジタル推進の名前の通り、全社のDX施策に対しリソースを注力していくべき部門ですが、実際のところは、社内の多くのシステム保守に社員の手の大半がとられていて、一番注力したいDX施策にまで手が回らない状況でした。こうした社内の工数不足を解消するため、業務のアウトソーシングを推進していこうという方針が決まりました。
そうですね。社内システムへの問合せ等の一次対応、今回お願いしたキッティング、など、なんでもかんでもというと失礼ですが、将来的に、お願いできるものは極力アウトソース化をしていきたいと考えています。
サンエムシステムを選んだ決め手とは
以前、SCMを導入した際に、大手ベンダーやその協力会社のサポートを受けながら構築を進めたのですが、その際にサンエムさんから2名が参加してくれました。保守やPCの問合せ対応など幅広く対応してもらいましたが、社内からの評判が良かった。そこで今回、うちでやろうと考えていたことを、サンエムさんから提案という形で話がきたので、それならば、と依頼することを決めました。本社同士が近く、コミュニケーションの取りやすさも決め手の一つです。
業務アウトソース導入でのサンエムシステムの良さとは
サンエムさんの社風なのかもしれないですが、慎重で、細かくて丁寧、という印象がまず強いですね。
最初の段階で、対応範囲を細かく提案してもらえたのが良かったです。我々で抱えている作業のうち、優先すべき項目を切り出し、最初にまず対応していきたい部分など、丁寧に打ち合わせを進めてもらえました。最初はケアレスミスも多少あり、我々のほうでのルール決めやコミュニケーション不足が課題でしたが、今ではそれも解消されてきており、非常に良い対応をしてもらっています。
ただ、本来のあるべき姿としては、今依頼している業務アウトソースの対応範囲をもっと広げ、一番最初にサンエムさんから全体を俯瞰して見積もりをいただいた範囲まで拡張していく必要がありますし、そのように進めたいと考えています。現状では、当初の目的だった「すべてのノンコア業務を委託する」という形にはまだ至っていません。我々の時間的な制約もあり、拡張のための業務の整理と切り出しに十分取り組めていない状況です。社員リソースでは足りないから外へ出したいが、外へ出す業務の切り分けをするだけの社員リソースが足りない、と、堂々巡りになっているジレンマもありますが、この点については申し訳なく思っています。今後の課題として残っています。
進め方の部分では、案件ご担当の方がとても丁寧で、毎月の定例会では、作業内容や課題、要望など細かく報告してもらえるので、助かっています。
我々も初めてのことで、どう進めていくのかわからない部分も多かったのですが、サンエムさんから、対応範囲や進め方を提案いただき、安心して進められました。
ユーザーアカウントの登録や管理について、サンエムさん側で考えてもらえて、業務フローや、どのように管理をするものなのか等の具体的な提案を頂けたことですね。我々からの要望に対して、弊社に常駐されているサンエム社員のメンバともやりとりして進めてもらえたところは、助かりました。そうでない場合は、一から百まですべて我々に聞いて、我々で調べて答えて、とやりとりも増えて大変だったと思いますが、サンエムさんの常駐メンバがハブとなって業務整理をしてもらえたのは、手離れもよく非常に助かりました。
作業に関しては、細やかで丁寧に対応してもらえており、特段問題ないです。ただ、トラブル時などには、スピード感も大事にしてほしいなと思いました。トラブル発生の背景には我々側に起因する課題もあったと聞いており、現場からの我々への要求事項をまとめてもらうようお願いしましたが、少し時間がかかりました。
丁寧さも大事ですが、まずは簡単な概要だけでも先に報告がほしいなと。詳しい内容についてはそこからだなと思っています。せっかく丁寧にやってもらっているので、そこはもったいない部分だと思います。丁寧さとスピード感のメリハリをつけてもらえたらよいのかなと思います。
作業自体に関しては、細かな部分でのフォローもしっかりされていて、作業者からのレスがないときなど、メイン担当の方がすぐ動いてくれているのは助かっています。

貴社での今後の展望
業務アウトソーシングを今後、精力的に進めていくつもりです。今以上に注力していくことになると思います。
現在、弊社では、基幹システム関連でも課題が重なっており、デジタル推進の部としても大きなプロジェクトがずっと続いていく予定です。そうした状況が背景にあるので、コア業務への社員リソース確保のためにも、業務アウトソーシングできる部分は、なるべく早く外へ渡してしまいたいと考えています。
ユーザーからのシステムやPCの問合せへの一次回答のところも、どう進めていくのか悩む部分ではあります。たとえば、無人チャットでAIを導入するといったことも、検討の余地はあると思います。生成AIや、チャットボットについて、今すぐとはいかないと思いますが、将来的に検討することもあるかもしれないですね。対応範囲や作業内容について、現段階ですぐにできそうなところから、順に洗い出して、外へ出していければと考えています。
これからもご期待に沿えるよう、関係者一同、気を引き締めてご対応してまいります。
これからもご期待に沿えるよう、関係者一同、気を引き締めてご対応してまいります。